東野圭吾さんといえば日本を代表する推理作家として知られていますが、『手紙』は推理ではなく殺人事件が起きた後にどういう生活がなされるかということが細かく書かれている作品です。

家族の絆が痛いように伝わります。

*感動したい時におすすめの作品と言ったらこれ

東野圭吾さんの『手紙』は弟の学費を得ようと空き巣を試みた兄が、犯行現場を見られたということで目撃者を殺してしまうというところから物語がスタートします。

兄は自分のエゴを出さず常に弟のためにという精神を持っているため読者からは「許してあげても…」なんて言う感情移入に誘導されてしまいます。

さらに獄中から毎月一回弟に対して手紙を書く健気さも増して、犯罪者なのに同情されることが多いでしょう。

罪を犯してしまった犯人の後悔と手紙をもらう弟の感情、さらには弟の生涯が左右されてどういう決断を取るのか見ものだし、弟の決断をよしとする反面なんとも言えがたい感情が起こってしまって悲しくなってしまうという人は少なくないはずです。

私はこの『手紙』は泣ける作品ベスト3に入れます。いい意味の感動というのとは違いますが感情が揺り動かされるという面では計り知れないものがあります。

東野圭吾さんと言ったら推理小説という印象を持たれますが、『手紙』のような感動作も超一流で誰もが納得する作品だと思います。

この作品はドラマ化もされていてそちらでも人気を集めました。

*犯罪者目線で描かれているのが珍しい

私は結構犯罪者には冷たく、下される刑についてもっと重くするべきだ(ほとんどの刑は軽すぎると思っている)と考えています。

しかし東野圭吾さんの『手紙』を読んでしまうと犯罪者側の目線に立ってしまうので「ちょっとどうにかならないものかな?」と思ってしまいます。

そういった意味では結構問題作で、いつ読んでもいいというわけにはなれないと思います。(例えば殺人事件が起きた後にこの作品を読んでしまったら犯人を許す慈悲深い心を持つ方がいいのではないかと思ってしまう人が多くなってしまう)

それでも一回は読んでみてもらいたい作品で、この本から学ぶこと(学んでしまうこと)は多いはずです。

ドラマをみてもいいと思いますが、キャストへの好き嫌いで感情が変わってきてしまうためやはり原作を読むのをおすすめします。(大好きなキャストが犯人役をやったら許してあげて!となってしまうから客観的な目線で見られないからです)

*家族とは何か、自分とは何かを思い知らされる

東野圭吾さんの『手紙』はやはり話の展開と登場人物のとる選択から目が離せません。

家族の温かさが感じられる反面、時に悲痛な決断を下さなければいけないこともある。家族とはどういうものなのかということをまざまざと考えさせられ、自分と家族を見つめ直す作品と言えるでしょう。

私は気に入った本は結構何回でも読むタイプなのですが、『手紙』に関して言えば重すぎるため二回目を読むということを今のところしていません。

決して作品が悪いというわけではなく、それなりの覚悟を決めて読まなければいけないと言っていいほどずっしりくるからです。

そして子供を持つ人には是非読んでほしい作品です。(直接子供がでる場面はありませんが、家族を大事にしよう、子供を大事にしようと思わせてくれる作品だと思っているからです)

手紙http://amzn.asia/7GJAIlM