『サクリファイス』は近藤史恵さんが手がけた小説です。第10回大藪春彦賞及び、第5回本屋大賞の2位に輝き数多くの賞賛を浴びています。

ロードレーサーの話ですが自転車に乗らない人でも十分楽しむことができるでしょう作品です。

*自転車好きには堪らない

最近では自転車ブームが起こっていて数多くの自転車漫画がヒットしています。その先駆けとして挙げられるのが『サクリファイス』ではないでしょうか。

近藤史恵さんの視点は自転車乗りからしてみたらかなり共感できるところが多く、読んでいて「面白い」と思わせるだけでなく、「確かに」と思わせてくれたり、時には厳しささえ与えてくれることでしょう。

自転車好きには読んでもらいたい作品ですが、自転車に乗らない人も自転車ってこういう世界なんだと思わせてくれるでしょう。

簡単にはプロになれないことをまざまざと感じさせてくれる作品で好きなだけではダメと言うことを教えてくれています。

みんな個性が強く「自転車の為に」という精神で臨んでいます。なぜここまで何かに没頭できるのかと感じさせられたり、一つのことに打ち込めることの素晴らしさを感じさせられたりする作品です。

これを読んで自転車に乗ってみようという人もいれば何かに打ち込もうと思う人もいるのではないでしょうか。

*ストイックさを求めるなら『サクリファイス』

『サクリファイス』の主人公白石は元々高校で陸上をやっていて中距離でインターハイ優勝するというスタミナの持ち主。その主人公が陸上をやめ自転車の世界に飛び込んだ。

ストイックな練習を積み重ねるところが海外のプロを目指すものの情熱を感じさせます。

チームメイトも海外へという想いが強く「自転車の為なら」とその他を犠牲にする精神が強いです。

近藤史恵さんは自転車に乗らない登場人物も上手く使いあらゆる視点で自転車に絡めてきています。

また強く感じられるのは「自転車で速くなりたい」とか「誰かに負けたくない」と言う感情を通り越して「自転車で食べていきたい」と言う想いが強いところです。

そのための練習、チーム内での争い、レースにかける意気込みは鬼気迫るものがあり近藤史恵さんの表現力の高さがうかがえます。

*衝撃的なラスト

小説を読んだり映画を観ていたりすると少なからず感動的なラスト、衝撃的なラストに出会います。

近藤史恵さんの『サクリファイス』も正にそうなのですが、私は小説、漫画をよく読みますがここまで衝撃的なラストは見たことがありません。

ただ単に衝撃的なラストだったと言ってしまったら小説そのものがチープに感じられてしまうかもしれませんが、その他の表現方法が見あたらないほど震撼させられました。

私はこの作品を手に取るまで賞を獲っていたとか人気作だったと言うことは知らなかったのですが、読んでしばらくした後に本屋大賞2位と聞いて納得しました。

何度読んでも衝撃を受ける作品ですが、二回目を読むのをためらってしまうのではないかというほど悲痛な話です。ぜひ『サクリファイス』を手にとってこの衝撃を受けてみてください。

 

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