熱い夏を感じたいと言ったら外せないのが重松清さんの『熱球』です!

甲子園出場まであと1勝と迫った主人公達の高校時代の無念さや大人になってからの上手くいかない日常など痛感できる場面が面白いです。

*大きく分けて場面が二つ

『熱球』の面白いところは繊細なタッチや感情の現し方はもちろんのこと高校時代と二十年後の現代を上手く描いていることです。

主人公は高校時代野球をやっていた。実力はないけど運も味方にしてあれよあれよという間に決勝までたどり着いてしまった主人公達。

この流れで甲子園まで行けるのではないかと色気を出した瞬間、部員の不祥事が発覚。結局決勝戦を戦うことなく敗戦が決定してしまいます。

その不祥事とはマネージャーの妊娠。本来であれば一、二回戦で負けていたためこんなことにはならなかったが下手に勝ち進んでしまったためこのようなことになってしまった。

『熱球』ではこのような幸を不幸に変える場面が散りばめられていて読み手をハラハラさせてくれます。

推理小説でもないのに伏線が張られている作品で作者の重松清さんの画力(私が受けた印象ですが絵を描いているような作風で見るものを圧倒する)の高さがうかがえます。

そして現在。甲子園出場できなかった主人公の生活、感情が鮮明に描かれていて読み手を惹きつけます。

*感情の変化が繊細

主人公は元エース。さぞ強心臓の持ち主かと思いきや繊細で場面場面によって感情に波が現れます。重松清さんの表現力がうますぎるためその波が大きく見えます。

人生に対して希望がなければダメ、でも希望だけでもダメ。難しい人間模様が熱く描かれ、それは高校球児でなくてもまさに見えない白球を追っているということがテーマになってるのではないでしょうか。

しかも白球だったら味気ない感じがしますが、この作品はやはり熱を帯びた「熱球」を追っています。

何がよくて何がダメかなんて一概に言えないところに読者に「考えさせる」という趣向がこらされています。そんな重松清さんの熱い思いもまさに読者に熱球を投げかけているのではないでしょうか。

少々重く受け止めすぎかもしれませんが、この揺さぶられ方は心地よさを通り超して「早く先を教えて!」といった感じでしょう。この作品を読んだら重松清さんのファンになる可能性は大です!

*やっぱり熱い想いを持ちたい

『熱球』を読むと「熱い想いを持ちたい」、「熱い気持ちを持つべきだ」そんな想いにしてくれることでしょう。

もちろんクールなことは必要です。でも時には負けてもいいから熱くならなければいけない時もあると思わせてくれる作品です。

登場人物は様々な熱い想いを持っているのにそれを出し切れずにいる。中途半端と言うことをもったいないと気づかせてくれるかもしれません。

簡単に上手くいく人生なんて誰にもないと言うのをまざまざとかんじさせられる作品で、挫折でくじけそうになった時、もう一歩踏み出せない自分が顔を出した時読むことをおすすめしたい本です!

大人向けの内容にもかかわらず表現を噛み砕いていて読みやすい作品なので中学生でも読めると思います。読書感想文にはもってこいではないでしょうか。

重松清さんの作品は情熱あふれる本が多いのでその他の作品もチェックする価値ありです!

 

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