一分一秒を争う作品は少なくありませんが、五十嵐貴久さんの『ダッシュ!』ほど急かされる作品はないかもしれない。そう思わせてくれることでしょう。

とにかく高校生におすすめの作品です。

*『ダッシュ!』はなんといってもシチュエーションが面白い

『ダッシュ!』の面白いところは陸上部の先輩を主人公を含む四人の後輩が憧れているところから始まります。

四人は先輩を「ねーさん」と崇め恋心以上のものを覚えます。みんながみんな「ねーさん」のことが大好きでいろいろな無茶をしてしまいます。

「ねーさん」は別の男性が好きでみんなの恋心は報われません。

それでも大好きな「ねーさん」の為に必死に「走る」四人は誰の目にもかっこよく写り見ていて気持ちよで満ち溢れます。

みんなライバル関係なのにそれ以上の仲間。

彼らの功績は「ねーさん」の恋人を探すこと、「ねーさん」のリハビリを手伝うこと、「ねーさん」を空港に送り届けることの三つですが、そのどれもが全力で、まさに高校生には多少無茶してでもこれ位熱く生きて欲しい、こんな全力疾走をして欲しいと思わせてくれます。

もしこの作品を女性が読んだら「年下と付き合いたい」と思ってしまうのではないでしょうか。

*まさにダッシュをしているような小説!

上記に触れたように五十嵐貴久さんの『ダッシュ!』はまさに全力です。無理難題を全員で全力疾走します。野球で言ったらヘッドスライディングをしてタイミングはアウトなのに審判に「セーフ」と言わせるくらい足掻いて足掻いて足掻きまくっています。

しかもそれが自分のためではなく、大好きな異性の先輩のため(しかもその先輩には恋人がいる)読者は彼らを応援してしまうことでしょう。

四人が四人とも「ねーさん」の性格をよく知っていて、先回りして細工を仕掛けたり踏み込んで話をしたりします。「自分にもこんなに自分のことを思ってくれる人が一人でもいたら」とつい想像をしてしまうでしょう。

『ダッシュ!』と言う題名がぴったりで(全力疾走でもいいかもしれませんがちょっと硬い感じがするのでやはり『ダッシュ!』の方がいい)読後は走りきった!と思うかもしれません。

*絶対に一気読みがおすすめ

五十嵐貴久さんの『ダッシュ!』は絶対に一気読みがおすすめです。内容的に難しくないので次々と読み進めてしまいます。

また文章をすっ飛ばして会話だけ読み進めてしまう人も多いかもしれません。それは退屈だからということでなく「きちんと読みたい」と言う欲求を 「速く次を知りたい」と言う欲求が上回るからです。三、四時間程度時間を確保して一気に読むのがやはりベストでしょう。

読み飛ばしたとしても展開が進んでいるということはあっても変わっているということはない作品なので安心して下さい!

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